正月のカラパタール

カラパタール・トレック

 

日本でも大した山の経験のない(奥多摩、丹沢程度)私でしたが、森崎さんの事前のアドヴァイスのお陰と天候に恵まれ、無事カラパタール登頂をはたすことができました。この「利用者の声」はとても参考になったので、私も少しでも今後の方の参考になればと思い、日程に添って気が付いたことを書いてみます。

 

 

ガイド:パサン・ダワ(HSAには3人のパサン・ダワがいるそうですが、一番背が高いパサン・ダワです。)

 

12月22日 カトマンズ着

入国審査の直前にしか両替所がないので、そこで換金しておくのがいいようです。私の場合、市内でしようと思ったら、この日が土曜日で、通常の銀行はOFF。私設の両替所がたくさんあるので、それでもいいのですが、銀行の方がレートがいいようですし。

12月23日 カトマンズ→ルクラ(2850m)→パグディン(2640m)泊朝6:20のピックアップ。カトマンズの空港までHSA社長のプルバに送ってもらい、ガイドのパサン・ダワとはルクラのホテルで待ち合わせでした。

高山病の予防には、とにかくたくさん水分を取ることと聞き、ホテルで待っている間、ミルクティーを飲みまくりました。パグディンのロッジは水道も電気も通っており、快適でした。

12月24日 パグディン→ナムチェ(3450m)泊

ジョルサレまでは楽な歩きですが、ナムチェへのほぼ600mの急登は、薄い酸素にまだ慣れないせいかかなりきつかったです。夜は、呼吸がやや辛いぐらいで、まだ高山病の症状はありませんでした。ただ、トイレには5回くらい行きました。高度は高いのに、地形のせいか、パグディンよりナムチェの方が暖かく感じました。ナムチェのロッジも水道、電気があり、有料(150ルピー)ですがホットシャワーも使えました。

12月25日 順応日(ナムチェ滞在)クムジュン(3790m)へハイク

途中、エベレスト・ビュー・ホテル付近からの眺めは絶景。おすすめのハイキングです。高山病の症状はややタイムラグがあって出てくると聞いていましたが、この夜になって、やや熱っぽく感じてきました。この時は風邪かと思っていましたが、高山病のごく初期症状だったようです。

12月26日 ナムチェ→タンボチェ(3860m)泊

朝には回復。一日遅れで昨日ナムチェに入った同じHSAのお客さんOさん(私もOですけど)とここからは同じ日程なので、一緒に歩くことにしました。ナムチェからはしばらくエベレスト、ローツェ、アマダブラムなどを見ながら、気持ちよいハイク。一旦川まで下る(3250m)ので、ここからの一気の登りがかなりつらいです。

身体が慣れてきているので、ナムチェへの登りより楽でしたが。タンボチェからはまた絶景。但し夜はかなり寒いです。Himalayan View Lodgeの食事は、山中のロッジでは一番美味でした。ここから先は水道はなく、顔や足や衣類を洗いたいときは、有料で水をわけてもらいます。

12月27日 タンボチェ→上パンボチェ(4000m)泊

寒さのためか高度のためか、あまりよく眠れず、体調は今ひとつ。当初の予定ではタンボチェで順応日でしたが、ガイドのアドヴァイスで少しだけ高度を上げました。パンボチェに昼に着き、軽い頭痛とむかつきがありましたが、夜寝たら回復しました。

12月28日 上パンボチェ→ディンボチェ(4350m)泊

当初はペリチェ泊の予定でしたが、ディンボチェの方が暖かいと聞き、そちらへ。これは大正解。ロッジも快適で、チュクン方面の展望も素晴らしく、とても気持ちよく過ごせました。森林限界を超え、風景もかなり荒涼としてきました。頭痛なし、食欲あり。

12月29日 ディンボチェ→トゥクラ(4600m)泊

ディンボチェにもう一泊してもよかったのですが、そのあといきなりロブチェへ600mの高度を登ることになってしまうので、中間地点のトゥクラまで行くことにしました。ディンボチェの裏の山への急登がややきついですが、あとはほぼ平坦に近い快適な道。

トゥクラのロッジは質素ですが、一応ダブルの部屋があります。思ったより寒くはなかったです。さすがにこの高度になるとよく眠れません。

12月30日 トゥクラ→ロブチェ(4940m)泊

眠れなかったわりには、体調は良く、トゥクラのすぐ先の急坂は意外に楽に登れました。ここを登りきると、ついにカラパタールまで見通すことができます。この眺めは感動的。あとは、ロブチェまで比較的楽な道です。ロブチェのロッジはどこも満室で、やや高めの1泊15ドルのロッジに泊まることにしました(追加料金)。これは追加を払っても価値がありました。それでもこの高さになると、夜は部屋の中でもとても寒いです。

ロッジに荷物を置いて、裏の丘とローツェの側にあるモレーンの上に登ってみました。このモレーンの上からの眺めは最高です。エベレストのアイスフォールまで見通せました。

夜は、やはりほとんど寝られませんでした。

12月31日 カラパタール(5600m)往復(ロブチェ泊)

前日、ガイドとは、この日はゴラクシェプに行って泊まり、翌日カラパタールへ登る予定にしていたのですが、ついに頭痛とむかつきがかなり出てきたので、これ以上高い所での宿泊はできないと思い、8時半にロブチェを出発して、カラパタールを往復することにしました。

朝食をほとんど食べられませんでしたが、スープを飲んだら少し回復し、思ったより楽にゴラクシェプまでは歩けました。今回天候には最高に恵まれ、ここまで雪は全くなかったのですが、この日はまた極めつけの好天で、風もあまりなく、理想的なコンディションでした。

それでもさすがにゴラクシェプからカラパタールへの登りは恐ろしくきつかったです。みんなが登っている高いほうの5600mのピークに登りました。

そこからの絶景は、生涯忘れないでしょう。ここまでの大変さを思って、大袈裟かも知れませんが、ガイドのパサンと抱き合って、思わず泣いてしまいました。

ロブチェ帰着は4時くらいでした。前日よりは少し眠ることができました。それにしても寒いです。

1月1日 ロブチェ→下パンボチェ泊

大変快適な下り。ペリチェで昼食。ペリチェは寒いです。

パンボチェの下村まで下ってくると相当楽になりました。

1月2日 パンボチェ→ナムチェ泊

気が緩んだのか、ここに来て熱が出てしまいました。荷物を全てポーターに持ってもらって、空身になんとかナムチェまで歩きました。全く食欲がなかったので、パサンに頼んで、シェルパ・シチューを米と野菜だけで作ってもらって、卵を落としてもらいました。ほとんど日本のおじやという感じで、何とか半分くらい食べられました。

パサンの気遣いに感謝。アスピリンを飲んで就寝。

1月3日 ナムチェ→パグディン泊

熱は嘘のように下がりました。快適にパグディンまで歩けました。行きには寒いと思ったパグディンも随分暖かく感じました。

1月4日 パグディン→ルクラ泊

ルクラの宿はホットシャワーが使えたので、浴びたときの気持ち良かったこと!

1月5日 ルクラ→カトマンズ泊

1月6日 カトマンズ泊

1月7日カトマンズ発

 

 

私が持っていって良かったと思ったもの。

テントシューズ。(ダウンで暖かい。足の裏に革が張ってあって、そのまま歩き回れるもの。)

マスク。(夜、マスクをして寝ると、喉が痛まないように感じました。汚れるので3枚ほどあるといいと思います。)

モンベルのオール・パーパス・ソープ。(ソックスを洗うのから、頭を洗うのにまで、何にでも使える、液体石鹸。リンを含まず、短期間でほぼ100%生分解するので、環境にやさしいそうです。)

 

単独で歩けないことはありませんが、何かあったときにガイドがいるとやはり心強いです。現に、ポーターのみを現地で雇って歩いていて、高山病にかかってしまった人にトゥクラで会いましたが、ポーターは、自分は対応の仕方がよく分からないというようなことを言っていました。結局ペリチェに下っていって、無事だったようなので良かったのですが。

 

10、11月は、気候としてはベストのようですが、とにかく混むそうですから、個人的には12月に行ってよかったと思いました。但し、毎年このように天候が安定しているとは限らないのでしょうが。

高度障害はもちろん辛いのですが、中でも一番辛く感じたのは、夜眠れないことでした。食事を6時くらいから食べると、大体8時くらいには、明かりもないですし、床に入ることになりますから、とにかく夜が長いのです。寝袋+ダウンジャケットで、寒さは耐えられるのですが、水分をたくさん取っているせいで、トイレに4,5回、多いときで7,8回は起きますから、その寝袋を這い出るのが寒くて辛い!またトイレが外にあり、遠いことが多いのです。このトイレ対策として、部屋でできるよう、ビンかなにかを持っていくといいかも知れません。といっても、部屋の中も、この時期はマイナス10度くらいになってしまうので、寝袋から出る辛さに変わりはないのですが・・・。あと、中のおしょうすいが凍ってしまって、翌日簡単に捨てられなくて困るかも知れませんね。

眠れないのは、諦めるしかないのでしょうね。横になっているでけでも、疲れは随分取れますし。幸い、ロブチェまでは食欲が落ちなかったので、体力は持ちました。

 

だらだらと書きましたが、とにかく素晴らしい旅ができました。途中日本人やドイツ人、スペイン人などの団体とも一緒になりましたが、私は、単独で、ガイド&ポーターを伴うスタイルがとてもしっくりきました。日程の自由もありますし、他のいろいろな国の単独の方達との交流も楽しかったですし。私のガイドだったパサンも、たまたま一緒になったもうひとりのHSAのガイド、ソノムも、信頼できる人でしたし人柄もよかったです。また、日本からツアーに参加するのに比べて、費用も15万円近く安くすんだということも大きなポイントでした。日本から、通常の代理店を通して単独の手配をしたら、もっと高くつくでしょうし。

 

またトレッキングに行くチャンスがあったら、是非HSAを利用したいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

 

2002.1.19

by Mr.OH

 

リンク; ヒマラヤ・トレッキング

ご自身のサイトでトレッキングの写真集をUPされました(3/31)。スライドショーになっています。[PROFILE]からお入り下さい。

 


ご出発前のトレーニングは必要でないくらいにスムースに行けたようですね。ひとたび荒れれば冬山の怖さもある、高度+時期ですが、天候に恵まれて良かったです。

文中からもうかがえますが、準備を十分にされたことも成功の理由だと思います。

契約書に、「追加料金はない」と書いておきながら、ロブチェのロッジでは追加料金をお支払いになる結果となったのは申し訳ないですが、見積りでは「並みの」ロッジ利用を基本にしていますので、お支払いについては了承していただけたと思っています。契約書におけるこちらの説明に不十分なところがあるかもしれませんね。再考してみます。

春秋のシーズンのロッジでは、すし詰めで不愉快な場合もあるだろうという情報も参考になります。

結果的に、HSAにとって、格好のコマーシャルにもなっていて、感謝しております。

しばらくは、旅行の余韻で、旅の延長気分ではないですか?

旅の前、中、後と、「一粒で3度おいしいトレッキング」とこちらでは称してます!

もう1粒ほうばりたい時はぜひまたご利用下さい。

 

なお、ご出発前に差し上げます日程は、あくまでおおまかな予定です。現地のトレッキングで、ガイドがトレッカーの調子を見たり、またご自身での希望により、実際に宿泊するところを(全体の日数が同じである限り)その場その場で決めていただいて結構です。

 

HSA.JAPAN 森崎

 


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2002年