ヒマラヤ・コンデ・トレッキングに参加して
―――コース紹介と感想―――
T、はじめに
今回のトレッキングは、ネパール現地エージェントHSA「ヒマラヤン・シェルパ・アドベンチャー」社の、フルバ社長と親しくしている、
大塚忠彦氏(高所登山の知識と経験豊富)にリーダーをお願いし、世界最高高度を誇るヒマラヤ山脈(エベレスト、ローツェ、等)8,000m級の展望が素晴らしいコンデ・トレッキングを計画、参加した。メンバーは8名(男性4名女性4名)、平均年齢65歳、その内容を紹介する。
『世界最高所のコンデ・ホテル4,250mを拠点に、パラック・ピーク、シェルパ・ピーク、4,800m付近からの写真も合わせて紹介する。』
写真1、コンデ・ホテル全景とヒマラヤ山脈
写真 2;コンデ・ホテル従業員と参加者
ヒマラヤ山脈(エベレスト、ローツェ、アマダムラム、タウツェ、) 「写真 1,2、Ms.KS氏撮影」
U、出発前の準備
@ 出発半年前から2回の勉強会と北軽井沢での合同合宿を実施。
勉強会の内容は、コース状況確認・高所障害の予防と応急処置・装備品と服装、ネパールの衛生状況・外務省発表のネパールの安全情報 ・大使館、ホテルの確認・朝夕のSPO2(動脈血酸素飽和度)とPlus(脈拍数)測定方法・ネパール語日常会話等。
A各自 富士登山、低酸素室、等での高度順応訓練の実施と体力強化。
V、トレッキングの概要
T日目:2009年10月25日成田を出発、香港経由カトマンズ(標高1,400m)に真夜中到着。
2日目:カトマンズ市内観光と医薬品の購入。
3日目;早朝カトマンズからルクラ2,840mへ20名乗りの国内航空で移動。空港でHSA社にお願いしたガイド、アシスタントガイド、ポーターの5名に出迎えられる。ガイドは英語と日本語ができ安堵する。朝食後パクデインに向け歩き始め、途中HSA社・社長の生家でお茶をご馳走になる。天候は快晴だが、砂埃が多いのに悩まされる。途中大きな荷物を背に黙々と歩く「ゾッキョ」(水牛とヤクの交配種・写真3参照)をよく見掛ける。パクデインまでは、ゆっくり歩いて5時間。
写真3「ゾッキョ」
4日目:ナムチェ・バザールへ向けゆっくりした登りが続き、ドゥド−・コシ川とボーテ・コシ川の出会いから急登を上りきるとナムチェに到着、ネパール、チィベット両国から日常雑貨が運ばれバザールがにぎやか。
本日も快晴。
5日目:高度順応のためナムチェに滞在、高台からの眺めは素晴らしい。
タムセルク、カンテガ、アマダブラム、ローチェ、エベレスト、谷を挟んでコンデ・ホテルの赤い屋根とその奥のコンデ・リの雄姿に触れることができ、何時間観ても飽きない眺め。本日も快晴。
写真4 ナムチェからの コンデ・リ
6日目:ボーテ・コシ川沿いにターメ3900mへ向け出発、エベレスト街道から外れてチベットに向かう街道、人の通りがめっきり減り ヤクの行列が多く、静かな裏道を歩くことにする。沢から急登を上ると、ターメに到着。真新しいホテルの窓からは、夕陽に浮かぶエベレストが素晴らしい。
本日も快晴。
7日目:いよいよ最終目的地コンデ・ホテル(4250m)に向けターメを出発。昨日歩いたボーテ・コシ川の対岸を巻く登山道が付けられている。
この登山道整備には、HSA社の皆様が大きく貢献していると聞く。
途中には大きな渓谷があり氷が付いていると危険。登山経験が不充分方は要注意。
昼食はコンデ・ホテルのシェフが味噌汁、おにぎり、漬物を担いで中間点まで持って来てくれ、暖かい食事が戴けたのが最高に嬉しかった。
8時間ほどでホテルに到着、夕食は久しぶりに日本料理を美味しく戴く。
コンデ・ホテルの社長はHSA社 社長の奥様で 日本語、英語、ドイツ語、を話す愉快な方。コンデ・ホテルには3泊滞在。連日快晴。
8日目:パラック・ピーク往復
9日目:シェルパ・ピーク往復、いずれも5,000m弱のピークでホテルを朝8時出発13時ホテルに帰る、5時間程度の行程。ピークからはヒマラヤ山脈のエベレスト、ローツェ、チョー・オユ―、アマダブラム、タムセルク、クスム・カングル、等の展望が素晴らしい。
又、夕陽に映えるヒマラヤの雄姿に圧倒される。高度順応が出来てくると、ネパール製の商品名「エベレスト・ビール」が美味しく戴ける。味も日本のビールと変わらず旨い。以下にピーク付近からの写真を添付。
写真5 コンデ・ホテルからのエベレスト、ローツェ、
写真6 コンデ・ホテルからの夕陽のエベレスト、ローツェ
写真7 パラック・ピークからの展望
写真8 シェルパ・ピークからのヌプラ
10日目:コンデからパクデイン2,600mまで一気に下る、急な降りだが、道は整備され危険箇所は無い、古くから馬や牛の放牧に利用した道でよく整備されている。快晴。
11日目;パクデインからルクラ、ルクラでガイド、ポーターとの晩餐会を行う。我々高齢者の案内と荷物運搬を良くしてくれた皆様に、感謝。感謝。
12日目:ルクラ「国内航空」〜カトマンズへ、 ルクラからの飛行機は午前中に飛び立たないと気流の関係で離陸できなくなる。そのため早朝から空港はにぎやか。
写真9 ルクラ空港
13日目〜14日目:帰りの飛行機便の都合でカトマンズ滞在となる。
HSA社、社長にカトマンズ市内を案内していただき、ネパール郷土料理の歓迎を受ける。全員が踊りの輪に入りネパールの皆様と友好を深める。
14日目;深夜カトマンズ発〜香港経由成田へ
15日目;11月8日成田14時到着。
W、おわりに
今回のトレッキングは平均年齢65歳と高齢者の集まりであることから、宿泊は全てその地方では最高級のホテルで温水シャワー、トイレ付、と豪華であり、歩行時間も5〜8時間以内に計画し 無理のない行程を立て、費用も直接HSA社との契約で通常のトレッキング費用と比較すると格安である。
次回のヒマラヤ・コンデ行きは、ナムチェで充分高度順応をして、マムチェ〜コンデ間を数十秒で飛ぶ、ヘリコプターを使用し10日程度の予定で再挑戦してみたい。
最後にHSA・Japanの森崎様には大変お世話になった。
厚く御礼申し上げる。
Mr.IT さん(幹事)、2009.11.30記
(“GOKYO” Nepal Map Publisher 社製地図)
ターメからコンデまでの新しいルートはよく整備されて歩きやすいルートになっていました。
ルート自体は昔と大体同じ場所を通っていました。
危険だったサルテマ・コーラ上部のかっての岩の道が綺麗に整備されていて危険もなくなっていました。
時間的にはターメからコンデまで中高年の足で8〜9時間くらいでしょうか。
ご参考までに、地図を添付します。
これは先日JATA(旅行博)で頂いた最近の地図ですが、コースの位置の記載が一部(コンデ北側)間違っているようです。
(小生が赤線で引いたコースが正しいコースと思います。白くなっている線が修正前のルートです。)
また、今回は持参したGPSで詳しい標高と緯度経度を測定してきました。
ご参考までに(標高、経緯度とも誤差がプラスマイナス10mくらいはありますが・・)。
【コンデ・ホテル】標高4146m、緯度経度N27度46分48秒、E86度42分01秒。
【パラク・ピーク】標高4622m、緯度経度N27度46分18秒、E86度41分18秒。
【シェルパ・ピーク】標高4576m、緯度経度N27度46分53秒、E86度40分55秒。
円月寄り添う残照タムセルク
Mr.OT さん(リーダー)、2009年11月9日
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