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アマダブラム登山<失敗の巻>

Mr.WJ  2名様
2011年4月5日〜5月12日(登山期間:4月12日〜5月1日)
アマダブラム登山(ガイド・コック・ポーター無し)


 今回の登頂失敗の原因は、何といっても天候の悪さである。今年は例年になく悪いらしく、プルバ・ギャルツェン社長に「ここ10年ではワーストですねー。」と言われ、暗澹たる気分になる。フタを開けてみても、やはり天候が安定しない。

 特に、4月23日から、登山を断念した5月1日までは、10日間雪の降らない日は無かった。朝は晴れていても次第に曇り出し、午後には決まって雪か雨が降る。高所順応を終え、さあこれからというタイミングであった。

 最後のアタック時(4月30日)、まるで南アルプスのドカ雪直後を思わせる状況の中、とにかくC.2(6050m)に向かう。C.2には高度順応を兼ねてクライミングギア一式を全てデポしてきたので、何が何でも行かねばならない。「あわよくば、そのまま頂上を狙えるかも…」という淡い期待は、C.1(5700m)の先を歩き始めてすぐに霧散した。鋭い岩稜に溜まる雪は、時に腰までのラッセルとなる。標高6000mでのラッセルはキツい。しかも、技術的にも決して容易というものではない。古いフィックスロープを雪の下から掘り出して気休め程度の確保を取り、苦しいラッセルを繰り返す。

C.1から5時間ほどでC.2にたどり着く。C.2には他のパーティーのテントが4つ張ってあったが、ことごとく雪に潰されている。ポールが折れ、見るも無残な有様だ。C.2に到着したとたんに夕立のようなアラレが降り始め、みるみる積もっていく。おぼろげに見えるC.3への登高路も、腰を超えるラッセルがひたすら続いている。雪崩の危険もある。
「無理だろ、これは。」
我々は撤退を決めた。C.2のデポ品を回収できただけでも僥倖と言わねばならないのかもしれなかった。

 翌日の下降もまた、昨日のラッセル痕など跡形もなく埋まっており、神経をすり減らすものであった。

 結局、我々の登山期間中、どのパーティーも頂上には達していない。それどころか、4月25日以降はどのパーティーも登山活動すら行っていなかった。

 アマダブラムを確実に登りたいのであれば、10月中旬〜11月初旬がベストである。この時期は、天候が安定している上に、ルート工作が完了して頂上までフィックスロープが達している場合が多い。高度順応さえうまくいっていれば、フィックスロープづたいのユマーリング登高に終始するからだ。
 ただし、傾斜はかなり急であり《50°〜70°(イエロータワーは90°20m)》、一般登山者向けの山ではない。
 
 


雪に覆われたアマダブラム


C.2から上部を望む


C.2から上部(夕方に晴れ間が出たとき)


C.2にて


C.2 からの下降(撤退時)

 
 
ご利用ありがとうございます。
1枚目、4枚目の写真ではいい天気のようですが、早朝でしょうか。
近年ネパールは、思わぬ悪天候に見舞われることが多く安定していないです。
運不運がありますね。
またの機会、よろしくお願い申し上げます。

 森崎