英語で映画 映画で英語

  2005年10月〜
あまりアメリカ映画は好きではなかったのですが、英語のリスニング強化のため、2004年からまた見るようになりました。
英語学習の映画として、「クレーマー・クレーマー」「ある愛の詩」「恋人たちの予感」などをお勧めとする人もいますが、私の場合、これらは全く映画自体が好きでない、というより出演俳優があまり好きでないので、何回も見る気がしませんでした。やはり人に勧められても好きになれないものはダメですね。自分の惚れこんだものを繰り返し見るしかありません。
アクションもの、特にバイオレンスは嫌いです。ホラーものは全くといっていいほど見ないです。どちらかというと映画よりドキュメンタリが好きです。
映画で英語学習に向いているのは、会話の多い、恋愛もの、法廷もの、サスペンス、ホームドラマ等ですが、上位のほとんどはすべて会話が多いです。特に、「十二人の怒れる男」「恋人までの距離」「ビフォア・サンセット」「摩天楼を夢見て」「アパートの鍵貸します」「七年目の浮気」などは会話だけといってもいいです。「激突」はあまり会話がないですが、こんなのも珍しいです。


 
 私の洋画ベスト100   作成中 2009.12.2 改訂      (英語のものに限定しました)
 
◆ ベスト7

1. 十二人の怒れる男 1957年

2. 12人の怒れる男 (評決の行方) 1997年

3. 旅情 1955年

4. 恋のゆくえ 1989年

5. 摩天楼を夢見て 1992年

6. セント・オブ・ウーマン 1992年

7. カッコーの巣の上で 1975年


◆寸評
(「十二人の怒れる男」はリンク参照)
「旅情」は、旅先で恋に落ちたゆえヒロインの目にとってますます美しく映ずるベニスの街をカメラは良く捉えている。それを後押しする夜空にたなびく美しいメロディも印象的だ。子役をうまく使っているが、あのくちなしの花を売りにきた老女が心に残る。あの優しさは過去の思い出がそうさせているに違いない。恋とは、楽しい時と、切ない時の振幅によりその深さが計られる(・・とかなんとか言ったりして)。「十二人の怒れる男」「摩天楼を夢見て」「七年目の浮気」などは舞台でも演じることのできる作品だが、「旅情」は映画の良さを十分に生かしている。この監督の作品の多くは映画でしか撮れないものを撮っている。
「評決の行方」「摩天楼を夢見て」「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」「チャイナシンドローム」など、幅広い役柄をこなすジャック・レモンの作品で、うーんとうなるのは、「摩天楼を夢見て」。したたかなセールスマンと家族を思う父親の両面を演じている。この作品は、そのテーマの狭さとあっけない幕切れに、「マアこんなものか」と、最初は佳作、あるいは、程度の良い小品といった印象であったが、妙に印象に残っていて、何度も観るうちに、なかなかの傑作と思うに至った作品です。ジャック・レモンとアル・パチーノの掛け合い、その他芸達者な出演者の個性で作品は密度の濃い仕上りになっている。
「摩天楼を夢見て」ではアル・パチーノはちょっと影が薄いが、「セント・オブ・ウーマン」では、見事な存在感を示している。最初オドネルがパチーノを訪問する場面のパチーノ演じる大佐の個性にぐいぐい引きこまれ、最後まで一気に飽きる間もなく見てしまう。この作品は台詞も面白い。見せ場は、タンゴを踊る場面、フェラーリを運転する場面、最後の演説の場面。盲目の大佐をパチーノはうまく演じきっているのではないでしょうか。
「恋のゆくえ」の主人公は、なんとも冷たい男だと最初は思ったが、何回か観るうちに、孤独な男を描いた作品ということで納得。印象に残るシーンは、最初のオーディション、初めて3人で組んだときのショウ、最後のほうでオーディションの第1応募者のジェニファー・ティリーがウエイトレスとしてジェフ・ブリッジスと再会する場面。中でも、初めて3人で組んだときのショーで、ミシェル・ファイファーが唄い出した時、ボーイが思わず足を止め、ガラス越しにファイファーを見るシーン。そのガラスの絵の透明な隙間にボーイの口が映る。その口が微妙にニヤッとする。その口の表情がファイファーの魅力たっぷりお色気満万さを、客観的に示していて、効果を高めている、非常ににくいカメラアングルでした。台詞もしゃれている。ジェニファー・ティリーはちょい役だが、コミカルな役の才能を発揮している。他のジェニファー・ティリーの他の作品をいくつか見てみたが、その才能を十分に発揮しているものはなかった。
「カッコーの巣の上で」を最初見た時は、地味で普通の生活からかけ離れた非現実な空間の描写に全く興味を引かれなかった。数年後ふとテレビで見た時、妙にリアリティがあってぐいぐいと引き込まれた。管理されることに対するアメリカ人の自由への希求の強さをすごく感じた。最後の大男のインディアンが窓をぶち破って出て行った時には喝采を送った。ジャック・ニコルソンはいい俳優だ。

8. アパートの鍵貸します 1960年

9. お熱いのがお好き 1959年

10. 七年目の浮気 1955年

11. ゴースト 1990年

12. ローマの休日 1953年

13. 激突 1971年

14. 恋人までの距離 1995年

15. ビフォア・サンセット 2004年

16. 奇跡の人 1962年

17. 終着駅 1953年

18. バウンド 1996年

19. ペイパームーン 1973年

20. 脱出 1972年

21. デビッド・コパーフィールド

コミカルな役の才能といえば、「 お熱いのがお好き」「七年目の浮気」のモンロー。ビリー・ワイルダーが十分にモンローの才能を引き出している。日本では、若き日のかたせ梨乃にそれに匹敵する可能性を期待したが、ビリー・ワイルダーのような監督に出会わなかったせいか、その才能の大輪が咲くこともなく、ヤクザ映画やサスペンスもので消耗してしまった感がある。
「ゴースト」は、ちょっと安っぽさのある作品だが、ウーピー・ゴールドバーグの好演とテーマミュージックのおかげでグンと良くなっている。
「ローマの休日」はツボを押さえた万人の評価に耐える作品であり、オードリーの美しさだけあればもう何も申しません。
「激突」は、正常な人間に巣食う異常を描き出した作品。駅のホーム傘殺人に通じる、ちょっとしたきっかけから異常が沸々と湧き出す。このしつこさがいい。スピルバークは「激突」だけでよい。初心に帰って、この第2話でも作ったらどうか。その筋は・・・夕陽を眺めて安堵してる主人公の足元の谷に落ちたトラックからドライバーが出てくる。驚いた主人公は逃げて道路に出る。車をつかまえて町に行き、レンタカーを借りて逃げる。しかしまた例のドライバーが別の車で追いかけて来て、また延々と追いかけっこが始まる・・・。
「恋人までの距離」は、実際にありそうな展開で、好きな筋立てです。脚本を書いた人の実体験が元になっているようなリアルさがある。2人だけの会話で終始する映画だが、この2人、単に演じているのではなく実際に会話や関係を楽しんでいるというかはまり込んでいる。映画は虚構の世界であり、一歩でも実世界に近づけば成功といえると思うが、その意味でこの作品は成功していると思う。「ビフォア・サンセット」は、同じ2人の俳優と作中人物が等しく年齢を重ねて再会するという珍しい第2話だ。結婚しないヒロインのどこか疲れたような歳の重ね方に、いろいろあったんだろな、と思ってしまう。
「奇跡の人」は、アン・バンクロフトとパティ・デュークの2人の熱演の成果と、実話の強み。
「終着駅」は、臨場感あふれる作品で、よく駅の表情を捉えてくれた。映画では街の風景・状景の大切なことをあらためて感じさせてくれる。面倒ではあるが、ここをはしょらないで映画作りをしてほしいものです。サスペンスのようなハラハラさせる要素もあって、充実した作品だと思う。
「恋のゆくえ」のジェニファー・ティリーを目的で見た「バウンド」であったが、ジーナ・ガーションのほうがグンと個性的で魅力がある。俳優にとって個性は宝であることを再確認する。すべての俳優が、自分の個性を十分に発揮できた作品に出会えるというものではないようだ。
「デビッド・コパーフィールド」はディケンズ原作で筋がしっかりしていて、しかも、BBC製作のこの映画では配役がよろしく、楽しめる。
「脱出」のバンジョーを弾く盲目の少年が非常に印象的だ。このやがてダムに沈む村は近親結婚での濃い血のため、不具の人が多い。そうした人選や現場の雰囲気が魅力だ。

22. 恐怖の報酬 1977年

23. 刑事エデン追跡者 1992年

24. 評決 1982年

25. 裏窓 1954年

26. パピヨン 1973年

27. モダンタイムズ 1936年

28. カサブランカ 1943年

29. ディア・ハンター 1978年

30. グランド・ホテル 1932年

31. ショーシャンクの空に 1994年
「恐怖の報酬」(リメイク)も、コロンビアかベネズエラあたりの、国外逃亡して来た者たちが集まる隠れ場のような所が舞台となっていたが、こうした描写が雰囲気を出してくれて、映画に奥行きを与える。
「刑事エデン追跡者」はシドニー・ルメットを参照。
「裏窓」はグレース・ケリーのおかげでこの位置にある。グレース・ケリーはモンローと同様に夭折したおかげで永遠の美しさを残したが、「カサブランカ」のバークマンには、「オリエント急行殺人事件」などに出てほしくなかった。
「パピヨン」は最初に本で読んでから映画を見た。原作は男の文学の大傑作。文字をほとんど書いたことのない著者の自伝だが、稀有な人生のストーリーにはぐいぐい引き込まれる。映画はかなり飛ばしてあるので、それだけ中身が薄くなっているが、さすがスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンの演技は光っている。
「モダンタイムズ」はいうまでもなくチャップリンの代表作。小学生か幼稚園児の頃、映画館でチャップリンの作品をいくつか見たのを憶えている。確か「独裁者」もあったように思う。ぎっしりと周りで大人たちが立ち見している間から覗いていたように記憶する。
歩いて1分のところには東映の映画館があって、小学生の頃は毎週1人で見に行ったものだ。入場料は30円だったと思う。
「ディア・ハンター」は逆にもっと縮めてコンパクトにできたであろうと思われる。
【32位】(順不同)
紳士協定 1947年
バーティカルリミット 2000年
人生模様 1952年
ハリウッドにくちづけ 
ガンジー 1982年
バリー・リントン1975年
アンネの日記 1959年
フォレストガンブ 1994年
天使にラブソングを 1992年
情婦 1957年
イヴの総て 1950年

【43位】(順不同)
タイタニック 1997年
SOSタイタニック 1956年 
クリフハンガー
レディ・ウェポン
遠い夜明け 1987年
プリンス・オブ・シティ 1981年
デストラップ・死の罠 1982年
ボウリング・フォー・コロンバイン
華氏911
スモーク 1995年
父の祈りを 
【54位】(順不同)
恋におちて
エルマー・ガントリー 魅せられた男 1960年
風と共に去りぬ 1939年
スタンド・バイ・ミー 1986年
エリン・ブロコビッチ 2000年
チャイナシンドローム 1979年
ディープ・エンド・オブ・オーシャン 1998年
ディアロボス 1997年
インサイダー
スケアクロウ 1973年


【64位】(順不同)
暗くなるまで待って 1967年
ダーティ・ダンシング 1987年
眼下の敵 1957年
大脱走 1963年
あなただけ今晩わ
タクシー・ドライバー 1976年
セールスマンの死 1985年
ダンサー・イン・ザ・ダーク 2000年
七年目の審判
殺人調書Q&A 1990年
未知への飛行 1963年
怒りの葡萄 1940年
逢びき 1945年
ダイヤルMを廻せ 1955年
喝采 1954年
二十日鼠と人間 1992年
失われた週末 1945年
スティング  
  
 
【82位】(順不同)
欲望という名の電車 1951年
ジュリア
ジョニーは戦場に行った 1971年
戦場のピアニスト 2002年
フランケンシュタイン
ポセイドン・アドベンチャー
デッドマン・ウォーキング
白と黒のナイフ
クレイマー・クレイマー 1979年
波止場 1954年
ゴッドファーザー 1972年
ゴッドファーザー・パートU 1974年
ゴッドファーザー・パートV
セルピコ 1973年
狼たちの午後 1974年
マルコムX
トッツィー
シャイニング 1980年
翼よ!あれが巴里の灯だ

【101位以下】
白鯨
ガタカ 
フェイス/オフ
カリートの道
ロレンツォのオイル
誤診 1997年
ホテル 1981年
シンプル・プラン
旅立ちの時 1987年
ファイブ・イージー・ピーセス
フレンチ・コネクション 1971年
フレンチ・コネクション2
理由なき反抗
ベン・ハー 1959年
ラスト・ショー
スネーク・アイ
深夜の告白
サイコ

紳士は金髪がお好き 1953年
百万長者と結婚する方法
マラソンマン
グレート・ブルー
激流
泥棒成金
逃走迷路 1942年
秘密と嘘 1996年
大いなる遺産 1998年
危険な関係 1988年
イージー・ライダー
テス
セブン 1995年
告発
ファーゴ 1996年
フェイク 
マーキュリー・ライジング
インディー・ジョーンズ 1884年
インディー・ジョーンズ 1889年
バック・トゥ・ザ・ヒューチャーT
バック・トゥ・ザ・ヒューチャーU
バック・トゥ・ザ・ヒューチャーV



【151位以下】
オペラ座の怪人 1989年
眺めのいい部屋
L.A.コンフィデンシャル
生きてこそ
エベレスト
ザ・クライマー 1991年
フィラデルフィア
ボディガード
クイズ・ショウ
ツイスター
ドラキュラ
神々の風車
NY検事局 1997年
ギルティ/罪深き罪 1993年
ファミリービジネス 1989年
モーニングアフター 1986年
キングの報酬 1986年
ネットワーク 1976年
ウィズ
ユージュアル・サスペクツ
ザ・プレイヤー
羊たちの沈黙 1991年
ドライビング・ミス・デイジー 1989年
セブン・イヤーズ・イン・チベット
クンドゥン
スカーレット・レター
デンジャラス・マインド 
恋のためらい
ヒート
ミッドナイト・ラン
エディー 勝利の天使 1996年
メイド・イン・アメリカ
ゴースト・オブ・ミシシッミー
ア・ヒュー・グッド・メン
晩秋
ブロードウェイと銃弾
黄昏
マイ・ガール
嵐が丘
恋愛小説家
存在の耐えられぬ軽さ
レッズ
セント・エルモス・ファイヤー
オリエント急行殺人事件
天使にラブソングを2
ツインピークス
JFK
ミュージックボックス 1989年
哀愁の花びら 1967年
心みだれて


【200位以下:世評ほどには良いとは思わないもの】
エクソシスト
レナードの朝
ターミネーター
ダイハード
ブルース・ブラザーズ
ある愛の詩
卒業
真夜中のカーボーイ 1969年
レインマン 1988年
愛と哀しみの果て 1985年
プラトーン 1986年
アメリカン・グラフィティ
シンドラーのリスト1993年
ビューティフル・マインド 2001年
エデンの東
殺人狂時代
博士の異常な愛情 1964年
時計じかけのオレンジ 1971年
2001年宇宙の旅 1968年
北北西に進路を取れ
ジャイアンツ1956年
サウンド・オブ・ミュージック 1965年
素晴らしき哉、人生
アマデウス 1984年



 
テーマ別

◆性格劇としての面白さ

十二人の怒れる男
摩天楼を夢見て
デビッド・コパーフィールド
大脱走




◆ゆきずりの恋

旅情
ローマの休日
恋人までの距離
ビフォア・サンセット
終着駅



◆異国の香り

脱出
恐怖の報酬


◆極限の人間

奇跡の人
アンネの日記
戦場のピアニスト
ジョニーは戦場に行った
デッドマン・ウォーキング


◆ラブコメディー

アパートの鍵貸します
お熱いのがお好き
七年目の浮気
紳士は金髪がお好き





 


(英米洋画限定)

【私の男優NO.1】
ジャック・レモン

【私の女優ベスト3】(順不同)
ウーピー・ゴールドバーグ
グレース・ケリー
マリリン・モンロー

久しぶりにアメリカ映画を100本以上見たが、やはりそれほどのものはない。
上記ベスト15にしても、GREATというほどのものでもない。
ヒッチコックが何が面白い?って感じです。
高校時代、深夜にヒッチコック劇場がTVでやっていたが、駄作ばかりでした。
ヒッチコックをもてはやす評論家や、配給会社は、自分が食うために、アメリカ映画を宣伝しているとしか思えません。

学生時代、英語を専攻していたが、どうしてもアメリカが好きになれなかった。
アメリカの社会、歴史、国民性、文学、哲学・・・みんな嫌いだった。
ただ、英語だけ好きだった。
当時、現在のようにアジアでの英語の重要性に気づいていたら、もっと力を入れて英語を勉強していただろう。
おかげで15年も英語から遠ざかってしまった。 
 
結局、ハリウッドにとって、映画は金儲けの手段だから、奇抜さとか、グロテスクさとかが、どんどんエスカレートして、もっと落ち着いて、人間とか、自然を描くことができなくなっている。
ヘッジファンドとか、マネーゲームと同じで、企業として社会に貢献する良い仕事で利潤を上げることよりも、とにかく銭儲けだけを考えている風潮をよく反映してくれています。
 
しかし、英米はなんといっても、英語の先生でありますから、そこから学ぶしかありません。
英語だけ頂戴して、いずれはアジアの文化を自前の英語で表現できるようになりたいものです。

イギリス、カナダ、フランス等では、大変質の高いドキュメンタリを製作しているので、そうしたビデオなりDVDが容易に手に入ればいいのですが、アルクなども、その雑誌等で安易なものばかり紹介したり、話題にしていて困ったものです。
日本の出版界も、日本のこれからの英語教育に、もっと気概を持ってもらいたいものです。