ご出発前に日本での訓練 |
||
|
||
◆ヒマラヤ登山のためのクライミング講習 |
||
アイランドピーク6160mやエベレストなどの登山本番前に日本でクライミング技術の講習をプロガイドから受けることが出来ます。一例として八ヶ岳と谷川岳における初級向訓練のご紹介をします。 |
||
第1日目 | 基礎訓練 | |
まず登山口で、服装、靴、その他の装備、持ち物をガイドさんにチェックしてもらいます。 パッキングしたら、ザックを背に合わせ担ぎやすい状態に調整します。 受講生「いやー、ザックを調節してもらったら荷物が半分になったみたいですよ。」 ガイドさん 「せっかくいいザックをお持ちなのに、これまで宝の持ち腐れでしたね。」 |
||
今日の天候、気温に合わせた服装になっているでしょうか? 帽子、手袋、サングラス・・忘れ物はないでしょうか? 足元は踏み固められています。滑らないように。 転倒、それに伴う事故は大変多いです。事故は危険個所より、なんでもないところで多く発生します。 |
||
アプローチですでに訓練は始まってます。 まず、歩くペースも重要です。1日全体の行動を考え、終日余裕を持って歩けるペース配分を頭に、はじめからガンガン飛ばしてスタミナ切れなんてことがないようにしましょう。 歩くにつれて温まってきますと、衣類の調整をして、汗を出来るだけかかない工夫も大事です。 |
||
まだアイゼンは付けてませんが、雪道のアイゼンなしでの歩行は、雪道歩行での重要な訓練となります。湿雪、アイスバーン、さまざまな雪質の感覚を直足でつかみ、滑らず、転倒しないバランスのよい歩き方を身につけます。 例えば、車の運転でいえば、ノーマルタイヤでまず雪道を走ることにある程度慣れることは車がどの程度の雪で滑るのかの理解に役立ち、アクセル、ブレーキの細かい操作を把握できます。そのうえでスタッドレスやチェーンを使用すると注意どころを把握しているので、最初からスタッドレスやチェーン使用での運転にだけに頼っているよりもより、勘所が分かっているだけに安全な運転が出来ます。 アイゼン使用についても同様のことが言えます。 また、ベテランでもアイゼンが外れて紛失し、命からがら下山したという例もありますので、アイゼンなしでも歩ける練習も必要です。 |
||
赤岳鉱泉に着いて、メインのアイスクライミング用のアイスキャンデーの横にある初心者用のアイススロープでアイゼン、ピッケルの基本的な使用法を学びます。 アイゼンは斜面でも足裏全体を接地して歩くことが大事です。 上る、下る、そして横にトラバースする場合、斜めに上り下りする場合もあるでしょう。 色んな場合についての足の置き方を学びます。 |
||
またそれぞれの場合についてのピッケルでの補助の仕方も習得して頂きます。 緩傾斜、急傾斜によって持ち方も変わります。 |
||
下りでは膝の弾力性をいかします。 | ||
ガイドさん(左)と受講生(下)の姿勢を比べてみて下さい。 ガイドさんの立ち方は足に重心をかけていて疲れないです。また上体が斜面に近づき過ぎず、やや反り気味になっています。 |
||
受講生の方は膝をつき、前かがみになっています。 このあと、受講生の方は訓練を続けているうちに足の疲れを訴えます。 前かがみになることにより、上部登路が見えにくくなります。 また、同時に足元が見えず、足の置き場の確認ができず、危険です。 足の置き方もかかとか浮いて不安定になっていて滑りやすくなっています。それ避けるために膝をついています。 左右の足の開き具合も広めとなっていて疲れやすいです。 |
||
体重が足にかかっておらず、膝に頼っています。 | ||
これも体重が足にかかっておらず、腕に頼っています。 要するに足で体重を支えるのを怖がっています。 まず、足場を確保し、両足でしっかり立てることが大事です。 |
||
トラバースする場合について学びます。 足の置き方、接地の仕方に注意して下さい。 |
||
足の動きに連動した上体の移動に注意してバランスを保ちます。 | ||
エイト環を装着。懸垂下降の方法を学びます。 | ||
エイト環を装着しての懸垂下降は重要なロープワークですので、繰り返し行い、体で憶えます。 | ||
アッセンダを利用しての登高を習います。 |
||
アッセンダには左手用と右手用があります。 右利きの方は左手用アッセンダを使用し、右にピッケルを持つのが普通です。 |
||
アッセンダ利用で一時停止のやり方です。 | ||
登りきったところでアッセンダ利用で一時停止し、エイト環にロープをかけて懸垂下降に移ります。 | ||
実際の山斜面を利用しての訓練もします。 | ||
滑落防止の練習をして、一通りの基礎訓練を終わります。 | ||
受講生の方たってのご希望で、アイスキャンデーでのクライミングをやってみました。 若い頃、器械体操で鍛えた運動神経の賜物でしょうか、半日でここまでできるようになりました。 ガイドさんの教え方もウマイのですが・・・ |
||
先生、受講生の方、お疲れ様でした。 1日目の講習はこれで終わり、翌日は実際に山に登って、アイゼンとピッケルでこの日の成果を試します。 |
||
第2日目 | 実地訓練 | |
実際に雪山を歩くことが何よりの訓練です。 | ||
なんとなく歩かないで、ガイドさんのペース、足の置き方、ルートの選び方、息づかい、水分の取り方、いろいろ貪欲に盗んで下さい。 | ||
ヒマラヤ登山ではガイドがロープをフィックスしますので、上りでは、アイゼン歩行とユマーリングが二大柱となります。 | ||
実際のヒマラヤでは高度があり、酸素は薄く、気象条件も過酷です。 迅速かつ安全に登れるためには何よりも体力と日頃の訓練が大切です。 |
||
下りでは、アイゼンの爪をもう一方の足首に引っ掛けて転倒することが多いです。場所が悪ければ、滑落して重大な事故につながります。 下りでの事故が圧倒的に多いので、注意散漫にならないためには余力を残して頂上を折り返すことが大切です。 |
||
◆受講生の方から講習についての感想を頂きました。
ご感想ありがとうございました。 ガイドさんは実に懇切丁寧です。 感想文にもあるように、訓練後のフォローも費用度外視で対応して頂いております。 受講生の経験やレベルやヒマラヤの行き先に合わせて的確なアドバイスをしてもらえるので、きっと参考になることと思います。 今回感想を頂きました受講生の方は、非常に熱心で、講習内容を忘れないうちに自分でトレーニングを繰り返して、体にたたき込もうとされています。 意欲と習熟度は比例します。 成果はきっとヒマラヤで出てくることでしょう。頑張って下さい。 張り切り過ぎて、出発の前に怪我などされないよう気を付けて下さい。 (H.S.A.森崎) |
||
◆ヒマラヤン・シェルパ・アドベンチャーのクライミング講習 | ||
ヒマラヤ登山に先だって、上記のような訓練を、プロのガイドさんのもとで、日本で行えます。 東北から関東、中部の山々で、お住まいに合わせて訓練場所を設定します。 初級〜中級までご要望に応じます。 ご予算もご相談に応じます。 費用の内訳は、ガイド料金、ガイドの宿泊・交通費、装備レンタル費などとなります。 1日のみの訓練も受け賜わります。 見積りしますので、ご希望をお知らせ下さい。 なお、このサービスは、弊社HSAのスタッフが行うものではなく、日本人のプロガイドによるものです。HSAはガイドさんのご紹介のみさせて頂いております。HSAでは紹介料や手配料は頂いておりません。また、このサービスは、弊社のヒマラヤ登山を申し込まれた方限定とさせて頂きます。 HSAのシェルパによる訓練をご希望の場合はネパールで対応致します。 |
||
→ ネパール・ヒマラヤ登山の手引き → Trekking Peaks → 7000m Expedition → 8000m Expedition → エベレスト登山 → Pasang Lhamu Wall Climbing Club |
2011.3.21 作成
|